熊本大が開発「世界で一つだけの麦焼酎」バラの香りねらったが思い通りには…でも「おいしい」

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熊本 2025.03.14 18:55

世界でただ一つの特別な麦焼酎が誕生しました。秘密は、熊本大学が開発した酵母です。

■東島大記者
「こちらが熊本大学が新しく開発した麦焼酎です。かなり華やかというか、果物のような香りがします。味わうと麦のすっきり感はあるんですが、 やっぱり甘みを感じます」


熊本大学が開発した麦焼酎の「ジャポニカス バーレイS34」。桐箱には熊本大学の文字が。この焼酎を開発したのは、熊本大学大学院先端科学研究部附属生物環境農学国際研究センターの谷時雄特任教授の研究グループです。


Q先生はお酒は好きなんですか?
■谷時雄特任教授
「大好き♡」

谷教授は、5億年前に生まれた「分裂酵母」という特殊な酵母の専門家です。谷教授によりますと、地球上に酵母は300種類以上ありますが、分裂酵母は5億年も前に進化の枝分かれで生まれたもの。この酵母で酒をつくろうと考えたのは、世界広しといえども谷教授だけだったということです。

これまで米焼酎や芋焼酎、ビールと、次々と商品化を成功させてきた谷教授が今回、ねらったのはバラの香りのする焼酎です。実験室ではねらい通りに進んでいましたが、共同で開発した福岡県朝倉市の酒蔵で仕込んでみると。

■谷時雄特任教授
「ほとんどそういう(バラの)香りが感じない状態になっていました。なぜそうなったかは、ちょっとわからないんですけど、その代わりに他のいろんな香りがいっぱい出てて、逆に面白かったっていうか、面白いお酒になったかなと」



原因は、幻聴が麦か米か、仕込み水の硬さなどいろいろ考えられるということですが、おいしい焼酎が出来れば結果オーライ。ということで…。

■谷時雄特任教授
「とてもふくらみのあるフルーティな味になっていますね。とてもおいしいです。香りも、今までにない麦焼酎になっていると思います。ぜひ、ご賞味ください」

この焼酎、すでに台湾から引き合いが来ていて、200本近く輸出しているということです。熊本県内では熊本大学の生協と鶴屋百貨店で購入できます。また、製造する朝倉市の蔵元「天盃」でオンライン販売もしています。値段は720mlで税込3500円です。