今回、想いを寄せてくれたのは熊本学園大付属中学校3年の宮﨑恵理子さんです。(2024年当時)
私が今回の平和学習で学んだ事は「平和とは学び、そして繋いでいかなくてはならないものだ」という事です。私は最初、日本は平和な国で、戦争の歴史はあっても、現在は戦争とは無縁な存在なのだと思っていました。しかし平和学習を進めるにつれて、太平洋戦争が終了してからまだ100年も経っていないという事や、当時落とされた原子爆弾により今もなお後遺症に苦しんでいる被爆者の方々がいるということを改めて知りました。
「地域の歴史の中に自分達の今の生がある」私たちの学校も軍用施設だった
そういった平和学習を進める中で、講演を聞く機会がありました。内容は太平洋戦争中の熊本の事についてで、熊本でも大空襲が行われた事、原爆投下の候補地としても挙げられていたという事など、私達がまだ知らないお話ばかりでした。その中で特に衝撃を受けたのは、熊本がかつては「軍都」と呼ばれるほど多くの軍用施設が設置されていて、今も「戦争遺跡」と呼ばれる当時の建物などがいくつか残っているという事です。驚くべきことに私達の通う学校の敷地内にも、大日本帝国陸軍第6師団第13連隊の関連施設として使われた建物が残っていました。現在は第2体育館として使われているそうですが、中学生が授業で利用することはほとんどなかったという事もあり、同じ敷地内で2年近く過ごしていたのに私はその存在を知りませんでした。平和学習をしていなければ、これから先もその存在を知らないまま卒業を迎えていたのではないかと思います。「地域の歴史の中に自分達の今の生がある」これはこの講演会の講師、高谷和生先生の言葉です。私はこの言葉を聞き、深く感銘を受けました。今、私たちが平和な暮らしを送ることができているのは、戦後から今日に至るまで平和を繋いで下さった人々がいたからだと思います。地域の平和は多くの人々が繋いだ長年の歴史によるものなのだと学びました。
「私たちのことを恨んでいますか?」広島平和記念公園での問い…
こうした事前の平和学習を踏まえて、先日私たちは広島研修へ行ってきました。その研修中、特に私の心に残った出来事は、平和記念公園に来られている海外の方々にインタビューを行った事です。「この場所にどうして来られたのですか?」という問いに対して多くの人が「平和記念資料館を見に来た」「平和について学ぶために来た」と回答してくれました。また、アメリカの方へのインタビューの中で「私達の国は昔日本に酷いことをしてしまいました。私達の国を恨んでいますか」と話された方もいたそうです。
平和ってなんだろう「違う国のことだからじゃいけないんだ」
現在、毎日のようにイスラエルとハマス、ロシアとウクライナの戦争についてのニュースや新聞記事を様々な場所で見かけます。ニュースになっていないだけで紛争などにより奪われる命もあるのです。それらを見て「違う国のことだから」と捉えるのではなく、その人達のために自分達ができる事はないのか、どうしたら戦争が終わるのかを考えて行動に移すことが、戦争に歯止めをかけて平和を広げていく活動になるのではないかと私はこの平和学習を通して思いました。
文章を書いたのは
熊本学園大学付属中学校3年
宮﨑恵理子さん