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第101回 現場発「これからもこの場所で 南阿蘇鉄道が運ぶ景色」
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2016年の熊本地震で甚大な被害を受け、全線運休を余儀なくされた南阿蘇鉄道。観光資源として多くの観光客に利用され、高校生の通学を中心とした生活の足を担ってきた小さなローカル線は、かつてない危機に直面した。
部分運転を再開したものの、半分の駅に列車が来ないまま迎えた7年。その間、不通区間の沿線では、全線再開を願いながら南鉄とともに復興への歩みを進める人たちの姿があった。一方、南鉄の運転士になるという夢を地震で奪われた男性は、遠回りをしながらも諦めきれない目標を実現し、全線再開の日を待ちわびていた。たくさんの笑顔を乗せて終点まで走る―。あの日から7年3か月。みんなが待ち続けた日がやってきた。